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Japan Pavilion: 15th International Architecture Exhibition 2016 – Venice Biennale

インタビュー10 - 増田信吾+大坪克亘

「縁(en)」というテーマについてどのように考えて参加されたのでしょうか。

僕たちが物心ついたときには、生活に必要とされるものは揃っていて不自由を感じた記憶がありません。そういう意味で、建築も何かを満たすために創造するという直接的なアプローチよりも、何か他のモノと関係するモノとして捉えることに可能性を感じています。

もし関係性によって場所を組み立てることができたら、場所自体だけでなく、建物、人など、さまざまな事柄が窮屈に分けられることなく、それぞれがもっと対等で自由に存在できるのではないかと思っています。場所性がどうしたら計画できるか、空間や建物をデザインすることよりも、それらに影響を与えまったく違う状況を創造できるか。「躯体の窓」では、場所が持つ前提的な条件を、窓を介して設計しようとしました。

設計した窓は建物よりもおおよそ1層分高く、薄いガラスを使用することで庭側への太陽光の反射を最大化し暗い冬の庭を照らします。全体が窓になることで、今ではそれがどの程度の割合で窓を開放したかによって場所全体のつながり具合が決まるようになっています。

人が介入したとき、いろいろな事柄が結びつき関係性によって場所が成り立っていく、それはとても自然だと僕らは感じています。場所が持つ関係性を計画することは、まさに「モノの縁」というテーマに即したことなのではないか、と思っています。

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